株式会社　東京美研は食品サンプルをハンドメイドにて製造、販売、通販をしている合羽橋（かっぱ橋）にある会社です。

食品サンプルは食品模型、食品レプリカなどと言われたりしています。食べ物を模して作られる偽物のことを指しますが、本物以上に本物らしくすることがとても大切です。

ひと昔前まで、食品サンプルは蝋サンプルと呼ばれ皆様に親しまれていました。それは材質が蝋（ロウ）だったからです。現在では、残念ながら蝋を使用した製品は存在しません。

蝋だと、常温での温度差により縮みや変形が起こりやすく、形状を維持するのが難しいためです。加工の容易さが大変優れていますが、作る側の都合ではなく、買う側に立って長持ちする製品へと転換しました。

現在、使用している素材は塩化ビニール（塩ビ）というものです。塩ビは縮みや変形が起こりにくい特徴を備えており、蝋にかわる素材となっています。つまり、今はビニールサンプルという呼び方が正解です。

蝋では水性の色でしたので、どうしても退色がひどく悩みの種となっておりました。塩ビで使用する色は油性の顔料または染料です。油性になったことで着色した色の保持は格段に良くなりました。

飲み物サンプルも素材の転換は行なわれております。以前はゼリーに使用されるゼラチンをある油で溶いて作っておりましたが、その油分が浮き上がったり、退色が早いという難点があったのです。

2～3年程度でそのような状況に陥っていました。今では液体の高透明シリコンを使用しておりますので、長持ちしてご安心いただけます。

尚、弊社製品はすべて、以前から受け継がれた製造工程をベースに、サンプル職人によるハンドメイドとなっております。手作りだから出せる独特の風合いは、機械による大量生産では上手に表現できない場合が数多くあります。

魚のうろこやお肉のサシに、デカール（シール）を貼り付ける手法も製品価格の上昇を招く要因となるため一切用いておりません。今どきではない（古臭いやり方）ですが、受け継がれる技にこだわり続けて参ります。

前に弊社でお買い上げになったお客様も、そうでないお客様も購入をご検討いただけますと誠に幸いに存じます。